大会長挨拶

 第37回中四国精神保健福祉士大会山口大会の開催にあたり、実行委員を代表し、皆様にご挨拶申し上げます。

今大会は、前年の広島大会と同様、参集ではなくオンラインでの大会となっております。山口県では、このような大きな大会でのオンライン開催は初めてです。画面上ではありますが、無事に皆様を大会にお迎えすることができて嬉しく思います。これもひとえに、この大会を心待ちにしてくださり、ご参加してくださる皆様のご理解ご協力の賜物と、実行委員一同心より感謝しております。本当にありがとうございます。

約3年前からの新型コロナウイルス感染症の流行は、「密になる事を避ける」という大きな制約を私たちの生活にもたらしました。これにより、「様々な人と繋がる場所を作る」という当たり前だったことが出来ないという環境に、私たちは適応せざるを得なくなりました。今の日々の営みが、そのままの形で継続する物では無いことを痛感させられました。

 また、めまぐるしい社会変容に伴い精神保健福祉の領域も大きく変化しており、私たち精神保健福祉士に求められる役割は国家資格となった頃に比べて多岐にわたっています。それは、社会が私たち精神保健福祉士の未来を変える力を期待している現れとも考えられます。

 反面、その領域の広がりから、一見すると目の前の業務だけでは クライエントとの繋がりが見えにくくなってしまっているかもしれません。業務が多岐に渡ってしまい、自分の立ち位置が見えなくなり、支援の方法が本当にクライエントの気持ちに寄り添っているのか等が分からなくなる時があるかもしれません。

 そのような時こそ、私たちは、原点に立ち返って、「何処にいても、精神保健福祉士として変わらない物、不変性である物を再認識する」必要があると思います。変わらない物と変わっていく物という、一見すると対極的に見えるかもしれませんが、この2つを持ち続けることこそ、未来を変える大きな原動力になると信じています。

この大会での時間の中で、皆様とこの事を共有し、更に深めて行ける事を楽しみにしております。

 

第37回中四国精神保健福祉士大会 山口大会 大会長 佐内 節子